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- INTERVIEW|社員が語る宇野バス
- 角本 知行
みんなからは、
私は鬼だと思われているだろうけど、
会社に一人くらい、
こんな怖い存在がいないと。
角本 知行 Tomoyuki Kakumoto
1985年入社定年後70歳まで勤務し2023年12月15日に退職
よく見て、待つ、止まれ。
1秒待って10秒得することがいっぱいある。
お客様が着席するまでは発車しない。それはどのバス会社でも同じだと思いますが、宇野バスでは100%確実にすることを口うるさく言っています。事故を防ぐための防衛運転もそう。よく見て、待つ、止まれ。これがうちの3大原則。一旦停止した車も出てくるかもしれないから、よく見て待つ。単純なことだけど、しっかり見ることで事故は防げるんです。それに待つ方が実は早くて、1秒待って10秒得することがいっぱいある。焦らず待てばいいんです。バスの運転で、一番大事なことはブレーキですよ。だから「急ブレーキを踏むな」「車体を揺らすな」と、若い人たちには嫌というほど繰り返し言って指導しています。ブレーキは、ゆっくり踏んでいって止まる寸前で離す。最後は押さえるくらいでいい。横揺れが始まったら、ブレーキをちょんと踏めば止まる。そういう自分の経験を含めてね。今も守っている運転手は、ブレーキも上手いし、事故も少ないですよ。
長距離トラックのドライバーから転職。勤続32年のベテラン運転手。もらうのが難しいといわれる10年間無事故の証となる純金バッチを2回、会社から贈られる。新人に安全を教え込む鬼教官でもある。現在63歳。
発車する時は手を挙げ、声をかける。
宇野バスの安全と信頼は自分が作っていく。
バスの前に車が割り込んでくることなんて、1日に何回もあります。それで腹を立てても何もいいことはないから、私はよく手を挙げるんです。相手が挙げようが挙げまいが関係なく、後ろに車が来てなくても、発車する時には手を挙げる。「バスは出て当たり前なんだから、手は挙げなくてもいい」と入社した頃に先輩から言われたことがあるけど、やはりそれは違う。バスに乗っているお客様は、そんな私の姿をよく見てるんですよ。「この運転手は、手を挙げている。ハザードを出すだけじゃない」と。礼儀正しく、安全運転していると思ってくれる。お客様が立って乗られている時は、「動かしますよ。手すりや取っ手をよく持っておいてください」と声をかける時もあります。運転が怖いから持つのと、安心して持つのでは、お客様にしてみれば全然違いますから。安全は、そうやって自分で作っていくもの。私が運転する宇野バスに乗ると、他社との違いがよくわかると思います。
運送の仕事に戻ろうと思ったことは一度もない。よそのバス会社に行こうとも思わなかった。腹が立つこともあるけど、話を聞いてくれる会社の仲間や家族がいて、笑い飛ばしてくれたから今があるんだと思う。
35年に渡るバス人生に哲学あり。
宇野バスだからこそ得られた責任感の強さ。
お酒は飲みますよ。飲みに行っても家で飲んでも、量は一緒。休みでも飲むのは、絶対に夜だけです。勤務中に飲むお茶も、家から持ってきた2本を常温で。夏でも冷たいものは一切飲みません。体調管理への徹底したこだわりは、“35年に渡り、宇野バスの安全と信頼を培ってきた”というプライドがあるからです。宇野バスに入ったことで、より一層強い責任感を得ることができた。だから、私は怒る。新人を教える教官として、宇野バスの運転手がそれでいいのかと。気持ちの持ち方、体調管理の仕方をどうしなければいけないのか、本人に考えさせるんです。若い人は、怒られるばかりだと言うけれど、教えている私も神経性胃炎の薬を飲んで、同じように苦しいんだから、頑張れと。でも怒るばかりではダメだから、たまに飯をおごったりしてね。私も昔に比べたら丸くなったと思う。それでも、こんな怖い存在が宇野バスに一人はいないと。鬼と思われようがそれでいいんです。
宇野バスの運転手になって35年。家のローンも払えたし、リフォームもした。子どもも巣立ち、かわいい孫もできた。お金に関する悩みは何もない。この先も65歳の定年まで昇給できて、70歳まで働けますからね。