INTERVIEW|社員が語る宇野バス

地元に帰ろうと決めた時、
思い出したのは
宇野バスの「かっこよさ」でした。

河合 淳  Jun Kaai
2022年入社

※インタビュー内容はリクナビ掲載のものを
許可を得て転載しています。

かつては映像の制作会社で働いていました。学校の文化祭などを収録し、いろんな街を回りましたね。東日本大震災では、仕事でお世話になった街も被災。僕は、石巻へボランティアに行くようになりました。次第に地元の人とも仲良くなった僕の耳に入ってきたのが「事業を再開したけれど、人手が足りてないんだよね」という声。だから僕は石巻に移住してトラック運転手になりました。

あの「トラック野郎」にゆかりのある土地ですからね。石巻には、東洋一の長さを誇る大きな漁港と水産加工場もあり、運送会社もたくさん集まっていたんです。新鮮な魚を新鮮なうちに市場まで届ける「追っかけ」と言われる仕事。朝から晩まで走り、車で眠り、また走るハードな生活でした。

そうして7年くらい勤めた頃、地元岡山にいる親父が倒れました。そのうち母まで父を介助している際に転んで骨折…姉が近所に残ってくれてはいたものの「自分もスグに駆けつけられるところに住まなきゃ…」と思ったんです。だから地元岡山で仕事を探そうと考えました。その時、思い出したのが、なつかしい宇野バスさんでした。

「宇野バス以外で働きたくありません」と履歴書に記した

高校時代、岡山市内の学校へ通っていましたから宇野バスは知っていました。バスや電車など乗り物好きだった僕はあの落ち着いた車体のカラーと5連ヘッドマーカーのあるデザインがお気に入りでした。

宇野バスのHPを検索して見てみると、ドライバーさん達の話が掲載されていました。HPから伝わってくる温かい社風やアナログなニオイも、僕の心に刺さりました。目に浮かんできたのは、昔観た「鉄道員」の映画みたいな世界。地域の人々の当たり前の日常を守る足として、ひたむきに一生懸命働く。「そういうの、いいなあ」と純粋に思ったのです。

履歴書には「宇野バス以外では働きたくありません!」と書き添えました。それだけ、岡山に戻るならこの仕事しかない!と思えたんです。

どのライン取りで走れば、バスの揺れを一番減らせるだろう。

働き始め、まず感じたのが「体がスゴく楽!」ということ。車内で眠るような生活をしてきた自分には、規則正しく勤務し毎日家に帰れるだけで、とにかく楽!外食ばかりでお金も使っていたことを考えるとかなりの節約ができています。

休みの前の日、家で料理をして、お酒を飲んでくつろげるのもずいぶん久しぶりでした。労働時間も短くなり体も楽になった分、安全運転に集中できますね。

ですが魚や物ではなく「人を乗せる」のには、とても緊張しました。特に宇野バスの走る路線は、高齢者の方や体の不自由なお客様も多くおられます。ミラー越しに見ると、車体が揺れれば、お客様の体も揺れているのがよくわかります。岡山の道は、舗装もよくありませんから細かなギャップも多いんです。だから「この道ではこのラインを通ればバスがガタガタしない」というのを自分で探りながら運転するようになりました。

さらにいえばバスの車体には2つのメーカーのものがありホイールベースも違えばサスペンションの特性も違います。そのあたりも踏まえて、慣れるまでにとても時間がかかりました。

もともと運転は好きですからね、より乗り心地がいい運転を目指し自分なりに工夫していくのが、楽しいんですよ。極めれば「いつ動いているかわからない」くらいスムーズな運転だってできると思うんです。

待っている方の目線や所作で「乗りたい」気持ちを察する。

大きなバスで狭い道を安全運転していくだけでも楽しいですし定刻通りに目的地へお客様を送り届けられれば達成感があります。同じ路線でも毎日天気も違えば、道路状況も乗っている方も違います。そんな奥深さがおもしろいんです。

3年目となる今では、例えば反対車線で信号待ちをしている人を見ても「きっとこのバスに乗りたいのだな?」と所作や目線でわかるようになりました。少しお待ちした分の遅れは、あとの運転で取り戻せます。できるだけお客様の助けになれる運行を心がけるんです。

今日も、発車後にバス停の陰から小走りで出てこられたお客様がおられました。でも、車内に立っているお年寄りがおられたり、前後の交通事情からみて急停車してお乗せするのは危険でした。もう少し早く気づけば…ゆっくり発車していれば…など日々反省です。でもその分、プロのバス運転手としてまだまだ磨けることが何通りもあるんです。それって運転好きとしては、楽しくて腕のなることだと思うんです。

運転手の日々の努力は、お客様にもちゃんと伝わるんです。

お客様とのコミュニケーションもバスならではの楽しみです。例えばバス停に足に包帯を巻いたおばあちゃんがおられたらサッと運転席を立ち、ご乗車時に一緒に支えてさし上げる。手間と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、結果的にお一人でご乗車されるのをただ見守っているより、短時間で席に着いていただけて、運行に遅れも出ない。おまけに感謝の言葉もいただけますからね(笑)

そうやって当たり前のように、お客様に優しく対応している自分にふと気づくと「できた人間に近づいているよなあ」と実感するんですよね。

スムーズな運転を心がけていることは、お客様にも伝わっているみたいで「すごく乗り心地がよかったよ!ありがとう!」とお声がけいただける方もいらっしゃいます。僕らの努力はちゃんとお客様にも届いている…そう思うとこの先もどんどん腕を磨かなきゃ、と改めて思いますね。

労働時間は減ったのに、給料は増えていた。

宇野バスで働き出してから、姉に給料明細をみせると驚いていました。「ホントに細かく手当などを正しくつけてくれていて、こんなにもらえてるんだ!」って。実際、長距離トラック時代より労働時間は短くなったのに給料は、増えました。

会社には悪い人はいませんし、社長も「おお、淳ちゃん」と声をかけてくださり野球や時事問題の話をしてよく笑ってくださいます。宇野自動車は、僕にとってHPをみて想像していた通りのいい会社でした。